SUB:御町内特撮救助隊SFXボイジャー(139L)
RE:944
日比谷通り。
ロボット機動隊の対戦車用大型バズーカ砲が次々に火を噴き、ドグーの機体は閃光に包まれる!
凄まじい砲撃に、辺り一面もうもうたる硝煙が立ち込める…
その煙に視界を遮られるロボット機動隊。

リーダー機
「砲撃待て!」

スコープを赤外線探知モードに切り替える。
モニター映像。その煙の中に、ドグーの機影が浮び上がる!

リーダー機
「…無傷なのか、奴は…(両脇のロボットを見る)…砲撃再開!!」

と、その途端、煙の中から凄まじい勢いで、何かが伸びてくる!

ドグーの腕がいきなり長く伸び、一瞬、リーダー機の両脇のロボットを掴むと、そのまま道の両側のビルの壁にめり込ませてしまう!!

ショートし、煙を噴くロボット達!

リーダー機
「(僚機を見て)…トゥース、サーディー!!…おのれ、これでも食らえっ!!」

至近距離からバズーカ砲を連射するリーダー機!
ドグーのボディに次々と砲弾が炸裂する!

しかし、それをものともせず前進するドグー!

リーダー機
「ダメだ、まるで歯が立たない!」

なおもバズーカを連射するリーダー機。
しかし、その甲斐もなく、じりじりと迫るドグー。

遂にリーダー機の砲弾が切れる…
背中の装填システムが、カチャカチャと空しい音を立てる…

リーダー機
「…しまった!砲弾が!!」

ドグー操縦席。

ジャンク
「さて、どうする?もう後がないぞ…生意気なロボットめ、この辺りでとどめを刺してやる!!」

ドグーのビーム砲、その照準がリーダー機にセットされる!
じりじりと後退するリーダー機…

と、ドグーの脚に一台のパトカーが突っ込んで来る!
衝突寸前、運転席から男が飛び出す!道の上をコロコロところがる男!

パトカーはドグーの脚に激突!炎上する!
一瞬たじろぐドグー。

路上で立ち上がったのは、何とオオツカ警部である!

オオツカ
「(リーダーを見て)今だ!逃げろっ!!」

リーダー機
「!…警部…」

ドグー操縦席。予期せぬ衝撃に驚くジャンク。

ジャンク
「何だ!?どうしたっ!?」

タバタ
「パトカーが脚に衝突した様でございます…しかし、損傷はございませんし、機能低下もございません。このまま攻撃を続行可能でございます…」

ジャンク
「あの男、余計な真似をしおって!(モニターに映るオオツカ警部を見る)…まずあの男から片付けてやる!!」

ビーム砲の照準をオオツカ警部にセットする!

公園の木陰に身を隠しているラピッド・スター、そのコクピット。

この様子を見ているケンタとリエ。

ケンタ
「姉ちゃん、ロボット機動隊がっ!(後部操縦席のリエを振り返り)このままじゃやられちゃうよ!……(心を決める)…助けよう!!」

リエ
「(うなずく)うん!……準備して!」

ケンタの膝の上、ニャンコがケンタを見て一声鳴く。その頭を撫でてやるケンタ。

ケンタ
「大丈夫だよニャンコ…(センサーグラブに腕を通す。まっすぐ前方を向き)…行こう、姉ちゃん!!」

リエ
「うん!…ケンタ、行くわよっ!!」

スロットル・レバーを思いきり引くリエ。
樹々の中から凄まじいジェットの炎を噴き上げてラピッド・スターが飛び出す!!

路上。
じりじりと前進するドグー。
ビーム砲がゆっくりと下を、オオツカ警部の方を向く。

オオツカ
「ウワーッ!!」

リーダー
「警部ッ!!」

ジャンク
「もうおしまいだ!!」

正にその瞬間、凄まじい衝撃が操縦席のジャンク達を襲う!!

ドグーがもんどり打って倒れる!
ビルに寄りかかり、ビルの中にズブズブとめり込む様に倒れるドグー!

凄まじい土煙が立つ!

リーダー機
「今だっ!(オオツカを見て)警部!私の脚につかまって下さい!脱出します!…これでおアイコですよ、警部。」

オオツカ
「(リーダー機を見上げ)お前…(微笑む)…分かった!」

リーダー機の脚、メンテナンス用の把っ手につかまるオオツカ。
背中のジェットを噴かし、ジャンプするリーダー機。

そのまま上空に脱出する。

傾いたドグーの操縦席。モニターにラピッド・スターが映る。

ジャンク
「またアイツか!…(ニヤリと笑う)…だが、今度はこの前の様には行かんぞ!」

照準装置を操作するジャンク。

モニター。
拳を突出し、再び急降下して来るラピッド・スター!

その姿にターゲット・スコープがロックされる…

突然、もの凄い勢いでドグーの腕が伸びる!!

避ける間もなく、その鋭い爪がラピッド・スターのボディに食い込む!!
ガッシリと掴まれてしまうラピッド・スター!!

凄まじい衝撃に襲われるコクピット!!

ケンタ
「ウワーッ!!」

リエ
「クゥ!!…(ハッとする)しまった!!…コノ、コノ、コノッ!!」

レーザー砲を必死に発射するリエ!
しかし、光線はドグーのボディで次々に弾き返されてしまう!!

ジャンク
「おっと、そんなものでいくら攻撃しても無駄な事だ、このドグーのボディは、それしきの事では傷も付かんぞ、ハッハッハ!!…このまま握り潰してやるっ!!」

ラピッド・スターを掴んだドグーの手に、徐々に力が加えられて行く!
その力に、きしむ様な音を立てるラピッド・スターの機体。

コクピット、ニャンコをしっかり抱き抱えたケンタ。

ケンタ
「くっそーっ!!このままじゃ握り潰されるっ!!」

リエ
「物凄い力だわ、全然動けない!!」

ナレーション
「ラピッド・スター絶体絶命!!果してリエとケンタの運命は!?」



〜 つづく 〜



~ 初出:1994.05.02 Nifty Serve 特撮フォーラム ~

Copyright: ohshima 1994, 2018