SUB:御町内特撮救助隊SFXボイジャー(107L)
RE:435
メインストリート。
不死身の恐竜を相手に、苦戦するロボット・チーム。
指揮を執るオオツカ警部の表情にも焦りの色が濃い…

ワンディム達の必死の攻撃にも、全く無傷の恐竜を見つめ、オオツカは考える…

オオツカ(心の声)
「…一体、奴は生物なんだろうか?…俺達は、不死身の悪魔を相手に戦っているのではないのか…」

と、砲撃の中、恐竜がいきなり突進を始める!
その凄まじい勢いに、サーディーが一瞬、思わずひるむ。

その瞬間、恐竜はいきなりその巨体を大きくひねり、思いきり反動をつけて太い尾をサーディーに叩きつける!

ふっ飛ばされるサーディー!!

サーディー
「うわーっ!!」

メインストリートの舗道に面したカフェテラス、戸外に置かれた椅子席に突っ込む!
木製の椅子やテーブル、その上に広げられたパラソルが、粉々の破片となって飛び散る!

トゥース
「サーディー!…(恐竜を見て)…この怪物め!!」

腕のアームバルカンを、凄まじい勢いで恐竜にぶち込む!!
咆哮をあげる恐竜!

恐竜の周囲ではアームバルカンの凄まじい威力に、背後の建物の窓ガラスが粉々に砕け飛び、街路樹が吹き飛ぶ!

しかし、まったく無傷の恐竜!

トゥース
「やはり、奴には効果がないのか…」

トゥースの必死の攻撃も、恐竜には全く効果がない。
その様子を見たワンディム、決意を固める。

ワンディム
「(オオツカを見下ろして)…警部、こうなれば超硬ワイヤーで奴の自由を奪います!」

オオツカ
「(驚いた様にワンディムを見上げて)…馬鹿な事を言うな!!あのパワーだ、お前達が逆に振り回されるぞ!」

ワンディム
「しかし、もう他に方法がありません。たとえ可能性が低くても、取れる手段は総て講ずるべきではないのですか!?」

その真摯な言葉にハッとしてワンディムを見るオオツカ。
と、恐竜に叩き飛ばされていたサーディーが、ぎごちない動作で機体を立て直す。

サーディー
「…私も…ワンディムに賛成です…警部。」

サーディーを見るオオツカ。

トゥース
「警部!我々にまかせて下さい!」

オオツカ
「サーディー、トゥース…(うつむき、拳を握りしめる)…判った……(決心した様にロボット達を見上げる)…やってみろ!」

ロボット達
「ハイ!!」

アームガンに小型ロケット弾が装填される。
アームガンを構え、一斉に前進を開始するロボット達。

ワンディム
「各機散開!恐竜を包囲しろ!」

トゥース/サーディー
「了解!!」

背中のブースター・ユニットを噴かし、高速で展開するロボット達。
恐竜を取り囲む様に展開する。

その瞬間、ワンディムの声が飛ぶ!

ワンディム
「今だ!!」

一斉にアームガンが火を噴く!
小型ロケット弾が、ワイヤーを引きながら打ち出される!

ロケット弾の尾翼が小刻みに向きを変え、飛行コースをコントロールする。
恐竜の周囲を、ロケット弾が急旋回する。

超硬ワイヤーが、キラキラと輝きながら恐竜の周囲を舞う。
首を巡らせてロケットを眼で追う恐竜。

次の瞬間、ワイヤーは急激に収縮し、恐竜の体を拘束する!

ワンディム
「今だ!各機最大出力!!」

ワンディム達の背中のブースター・ユニットが、凄まじい炎を噴き上げる!
最大出力で恐竜を縛り付けようとするワンディム達。

それに、凄まじい力で抵抗する恐竜!
ワンディムの脚が、抵抗の余り、足元のアスファルトをえぐり取る!

恐るべき恐竜は、しかし、必死のワンディム達を徐々に引きずり始める…
その様子を祈る様な表情で見つめるオオツカ。

オオツカ
「やはり無理なのか?…くそお(ワンディム達を見て)頑張れーッ!」

必死に恐竜をつなぎ止めようとするワンディム達。
しかし、凄まじい恐竜の力はフルパワーのワンディム達を、ゆっくりと引きずる…

ワンディム
「何と言うパワーなんだ…このままでは…」

サーディー
「ダメです、やはり押さえ切れません!!」

トゥース
「ウワーッ!!」

と、突然、辺りに轟音が轟く!!
次の瞬間。

恐竜の体で凄まじい爆発が連続して起こる!!
もんどりうって倒れる恐竜!

ワンディム達もその余波を受け、体勢を崩す。
突然の出来事に、轟音のした方向を見るオオツカ。

オオツカ
「防衛隊か!?」

と、硝煙の中から鋼鉄の巨体が姿を現す。
ランド・チャレンジャーだ!!

再び轟音が轟き、その機体上部の2連装砲が火を噴く!
正確に、恐竜に命中する砲撃。

悲鳴の様な鳴き声をあげる恐竜!

オオツカ
「…またか…また、彼等なのか?…」


〜 つづく 〜

~ 初出:1994.06.15 Nifty Serve 特撮フォーラム ~

Copyright: ohshima 1994, 2018